tenkai

コンサルタントという仕事は、戦国の世においては「軍事参謀」といえます。
他社との激しい競争を勝ち抜き、顧客を獲得し利益を上げるという戦。この戦
に勝つための司令官でありアドバイザー。コンサルタントとして著名な大前研
一氏も「企業参謀」という書を書き記していることからも、コンサルタント=
参謀という解釈が成り立つと考えて良いかと思います。

では「軍師」という仕事はどうか。歴史上、軍師として知られる人物として挙
げられるのは、誰もが知っている範囲では諸葛亮孔明、竹中半兵衛、黒田勘兵
衛といったところでしょうか。ここらは映画やドラマの影響もありますね。他
にも戦国時代には主君の横には常に優れた軍師が寄り添っていました。しかし
彼らは主に戦を指揮する軍事参謀として活躍しています。実はあまり知られて
いないことなのですが、当時は僧侶が軍師として活躍していました。これには
以下のような理由があります。

1.当時の最新の兵法は中国大陸から渡ってくるものであった
2.その兵法書が読めるのは中国語が理解できる者に限られた
3.当時それができるのは僧侶が圧倒的に多かった
4.なぜなら彼らが学ぶ最新の仏教典も中国から渡ってくるものだったから

このような理由で兵法に詳しい僧侶が軍師として重宝されたと考えられます。
しかし僕はその他にもっと重要な理由があったと考えています。

それはメンタルコーチとしての役割です。

「孫子」にもありますが、戦はすればするほど国が疲弊するが故に戦争は国家
の一大事と捉えよ、と記されています。またクラウゼヴィッツも戦争は政治の
一手段であると解釈されています。戦争は政治の手段であるとするならば、政
治とはなにかを考える必要があります。

政治とはひと言で言えば「理想の世創り」に他なりません。

主君である大名から理想とする世界のビジョンを引き出し、コンセプトを明確
にする。これはつまりコーチングです。主君の理想の世創りのサポートをする
のに最適なポジションが軍師だったのです。

また、いくら主君の理想だからといっても、それが民の幸福につながらなけれ
ば政治は続きません。主君のエゴを満たすためではなく、民の幸福のための世
創り。そのためには人としての道、倫理をきちんとおさえた上でビジョン化し
ていく必要があります。当時は精神世界はすべて宗教によって担われてきまし
た。ましてや現代よりも人の寿命は短く、死というものがより身近にあった時
代です。死生観に対する興味や理解は想像以上にリテラシーが高かったと考え
ても差し支えはないでしょう。したがって当時の軍師としての役割は以下の3
つで主君をサポートしていたと思われます。

1.軍事
2.政治
3.宗教

その役割にぴったりなポジションが僧侶だったのです。

その2へ続く】



***********************************


毎日30秒で読める101コの気づき
戦わずして克つための無料メルマガ

「戦わずして克つ」101の気づき 

101の気づきグレーバック